しっかり頭でイメージして丁寧に絵を描いていこう【絵が苦手な人・初心者向け】

 

 前回は絵を苦手と感じる人によくある「絵の考え方」の部分に触れましたが、今回はもう一つよくある事柄について触れてみたいと思います。

 それは、ひたすら勢いに任せてガンガン適当に描いてしまうケースです。「下手だから」「描けないから」と開き直ってしまい、頭で考えてイメージすることも、丁寧に描くことも放棄してしまっては、余計に乱れた絵になってしまうのは当然です。

 この辺は美術の授業などを思い出してみると分かりやすいかもしれません。

 適当にやり過ぎると成績に影響したり、運が悪いと説教をされる可能性もあったりで、大体の人はある程度ゆっくり丁寧に描いていたと思います。何より複数の人に見られたり評価されたりもするので、そういう時に描いた絵は極端に崩れることも少なかったはずです。なにより授業の場合、目の前に題材となる物やモデルが存在している事も多く、根本的な形や線を自分でイメージしなくともいい状態がほとんどだったと思うので尚更です。

 しかし見本となる物がない状態で描くとなると、頭の中で形や特徴をしっかりイメージして描く必要が出てくるため、なんとなくの曖昧なイメージで描いてしまうと絵が崩れやすくなります。その上更に描き方まで雑になったら、めちゃくちゃになるのは必然ですね。

 更に言うと普段絵を描かない人の場合、目安となるアタリやラフを描くという概念が無いことも多く、直接下書きというか清書のような状態で描いてしまう場合も多いので尚更です。

 ですから、今回は「考えて丁寧に描く」という部分に重点を置きながら、大まかな描き方もふまえて話を進めていきたいと思います。

前回の記事
絵は記号!絵を特別なものと考えず、気楽に考えて描いてみよう!



1.描きたい構図をイメージしてアタリをとろう
 ここは細かく書くと長くなりそうだったので、今回は軽く触れる程度にしておきますが、まずは最初に書きたい絵の構図をイメージしてアタリを描いてみましょう。よく鉛筆などで描かれた絵とかに入っている、まるばってんのアレですね。アタリを描くことで、大まかな位置など構図の目安とします。

アタリをとった図
アタリをとる

アタリを目印に描いていった図
アタリと下書き
 今回はアタリを取った後、アタリの線が少し残るくらいに消しゴムをかけて、そこから下絵を書き起こしています。アタリを消さずにそのまま描いたり、トレース台を使って別の紙にラフや下書きを描いたりと、方法は人それぞれです。(途中の工程を撮影し忘れたため、下書きまで進んだ画像の状態になっていますがあしからず……。アタリの線がほぼ消えしまったので、上からアタリの図を被せているので少しズレちゃってます。)

イラストの下書き
ちなみに下書きのみだとこんな感じ

 いくら丁寧に描いていても、慣れない内はパーツの位置や大きさを一発で明確にイメージして描くことが難しく、どうしても絵が崩れやすくなってしまいます。ですからアタリをとって大まかな目安をつけることで、いきなりではイメージが難しいものでも、大雑把なイメージから段階的にイメージを細かくして描いていくことで、意外と描けたりする事も多いです。実際この工程を踏むだけでも絵の崩壊が結構抑えられます。

 中にはアタリをとらない人もいますが、上級者の方でもアタリをとっている人は普通にいるので、慣れてきても恥ずかしがらずどんどんやっちゃいましょう。アタリをどう描くかも人によって違いがあったりするので、その辺は練習していく内、自分にあったアタリのとり方が見つかるはずです。

 ちなみに、アタリの他に「ラフ(ラフスケッチ)」とかもあります。人によって微妙に意味合いが変わったりしますが、基本的には…

 ・アタリは大まかな位置などを目安として描いたもの。
 ・ラフスケッチはアタリよりもう少し詳しく描きこまれたもの。言葉の通りラフに書いたスケッチみたいな感じ。

と思っておけばいいかと思います。

 アタリ→ラフ→下書き→ペン入れの流れでやる人もいれば、ラフ→下書き→ペン入れや、アタリ→下書き→ペン入れなど手順は様々なので、その辺は描いていく内に自分にあった方法が見つかると思います。ちなみに私は時と場合によりますが、アタリとラフが混ざった感じで描くことが多いです。
 いえる事は、いきなり上手い人のように色々飛ばして描くのではなく、序盤はしっかり目安となるアタリやラフを描いて、それに沿って下書きを丁寧に描いていくようにしましょう。

 この部分についてはその内もう少し掘り下げた記事も書いてみたいと思います。

2.丁寧にゆっくり描こう!
 絵を描いている人のイメージといえば、プロやアマでも手早くササーッと描いている光景をイメージする人が多いと思います。しかしそれは普段から練習してきた結果で、イメージと感覚が結びついていたり、一筆書きでも長い線や複雑に曲がった線を描けるように練習を積み重ねてきたからです。

 やる気がないだけか、同じ様にしなければと考えてしまってなのか、人によって理由も様々でしょうが、描ける人を真似して手早く描く必要なんてありません。まずはゆっくりどう描くべきかを考え、描く物の形を意識し、一本一本線を丁寧に描くことから始めていくのが大切です。そうしてまずは描き方や感覚を養っていきましょう。

 一応念のため付け加えておくと、ゆっくり丁寧にと言っていますが極端に遅すぎても問題なので、ある程度のペースで丁寧に描けるようにすればOKです。

 また、長い一つの線を一筆で無理に最後まで描く必要はないです。長い線を引く時は途中で切れていいので、切れたところからまた描きやすい範囲で線を繋げて引いていけば問題ありません。要は最終的にちゃんとそういう風に見えれば良いだけです。

ペン入れ1

 ペン入れ時に撮影したものですが、下書きの時も同じで一筆で描く必要はありません。わかりにくいですが、上の図では外側の髪の線を引く途中で線が切れています。その後、下の図のように線が切れた場所から繋がって見えるように線を引き直しています。

ペン入れ2

3.迷い線について
 迷い線とは、何度もシャカシャカと同じ部分に線を引くことで増えている線のことを言います。

 極端に描きましたが大体こんなのです

 本当は少ない方が良いとは思いますが、初めは下書きの時などに迷い線が多少増えても良いので、描く物のイメージと感覚を近づけつつ、構造や描き方といったものを徐々に理解していけば良いと思います。そうしていく内に技術や自信がついて、余計な線なども減っていくはずです。

 迷い線が増えても良いとはいってますが、ただ適当にズバズバと闇雲に線を引きまくるのは無しです。初めは納得のいく線を引くのが難しく、ああでもない!こうでもないっ!と結果的に線が多くなってしまうのは仕方のないことだと思います。それに絵が上手い人は全員迷い線がまったくないのか?と言うと、そうでもなかったりします。

 迷い線が多くなると、頭の中で絵が勝手に補正されて上手く見えたり、正しい線が分かりづらくなったりします。その状態でペン入れをして線画に起こすと、描いた絵がおかしくなる事が多いです。結局それは手で線を適当に描いただけで、頭で形をしっかりイメージできていない場合や、引くべき線が理解できていないなど、色々な理由があげられます。

 また、引いた線の感覚を体が覚えて癖になってしまう事もあるので、なるべく減らすように努力をした方が良いのは確かだと思います。結局のところ、イメージや感覚が曖昧で迷いがあるために線が増えてしまうケースが殆どなので、しっかりイメージして確信を持って正しい線をスッと引けるようになるのが理想的ではあります。というか考えて丁寧に描く練習をしていけば、少なくとも明らかに無駄な迷い線は減っていくはずです。

追記
 ちなみに綺麗な一本の線で書かれた絵が正義!というわけではなく、表現方法や作風として線を重ねるなんて事はよくあるので、自分の描きたい作風と相談しながら、練習をしていくといいかと思います。技法として線を重ねる事と、ただの迷い線とでは全然別物ではありますが……。時々勘違いして明らかに無駄な迷い線の多い絵が自分の作風だ!と、勘違いしていまう人もいるのでご注意を。

迷い線を減らす練習方法
 迷い線を減らす練習として、直接ペンで清書のように絵を描くという方法がよく取り上げられたりします。ペンで描くということは鉛筆のように修正がききませし、迷い線を後から消すことも出来ないので、少しのミスが命取りになります。更に鉛筆と違って線の濃さによるコントラストも付けられないので誤魔化しも効ききません。ですから慎重に頭で考え、線を丁寧に描いていくことになるので、色々練習になります。

4.ペン入れもしてみよう。

線画

 絵を描いていく上で清書するということも重要です。というか絵を描いていくうちにペン入れをしてみようと思う機会も増えていくと思います。

 しかし下書が終わり、いざペン入れをすると絵がおかしくなったり、アレ?なんかこれじゃない……、と感じたりすることがあると思います。これは上でも書いたように迷い線の多さやコントラストが原因していたり、そもそも線が間違っていたり、線の強弱がつけられていなかったりなど原因は様々です。しかしそういったミスを発見して、次に繋げて行くことが大切です。

 何より正しい線を拾ってしっかり描けるようにならないと、ラフや下書きがいくら上手くなっていても、ペン入れで絵を台無しにしてしまいます。全ての絵を毎回きっちり最後まで完成させる必要はないですが、ある程度はペン入れまで練習した方がいいでしょう。

 ちなみにペン入れの練習だけしたい時は、適当に色々な下書きになる線を引いて、そこをペンでなぞって練習したり、方法は色々あります。

アナログで漫画を描きたい人は付けペンの練習もしておきましょう。

 最近はデジタルが主流になってきているので、Gペンなどのつけペンを使ってアナログで描く人は減ってきているとは思いますが、特にアナログにおいてはペン入れの練習はとても重要です。慣れてくると線の強弱をつけたり色々できますが、慣れない内はなかなか悲惨な事になりやすいです。描く感覚もかなり違ってくる上に、下手をすると原稿用紙を傷つけたり、弾いたり、終いにはインクがボトリと零れ落ちたりと、思いもよらない所で事故ったりします。

 そして完成した!と思って消しゴムをかけたり、調子よくどんどん描いた結果インクが乾いていない部分に触れてしまい、ビヨ~ンとインクが原稿用紙一面に広がってしまった!!なんてことも慣れるまではしょっちゅうです。ですから普段から十分に付けペンに慣れておく必要があります。

 といっても今の時代、割とお手軽価格でデジタル環境を揃えられるようになっていますし、わざわざアナログでやる必要があるのか?となると、なんとも言えませんが……。アナログにはアナログの良さがありますし、描けて損は無いと思うのですが、昔ほどアナログの技術を必要とされることは少なくなってそうな気はします。ただスケブを描いたり、唐突なマシントラブルに対する備えや、自身のスキルの幅を広げたいなら、アナログ絵も練習しておくべきだとは思います。

 ちなみにアナログ漫画だからといって、絶対につけペンを使わなければいけない!という決まりはありません。筆ペンやサインペンなどで描いても問題ありませし、描く場所によって使い分けることも多いです。

5.最後に
 感性の赴くまま本能に付き従って絵を描くなんて事は、最低限の基本が出来ている人だから出来ることです。とういか結局その場合でも、何かしら考えたりイメージをしっかり持って描いている場合が殆どです。初心者が突然そんなことをしても、勢い任せに闇雲に描いただけの残念な絵にしかならないのは当然です。

 毎回似たようなことを言っていますが、結局は日頃の積み重ねが全てなので、少しずつでも数をこなしていくしかありません。しかしそれはテーマを明確に持って意識しながら練習するからこそ成長につながることであって、何も考えず適当に練習しただけでは効果も薄れてしまいます。

 ですからまずは一つ一つ丁寧に、考えながら描いていくことから初めてみて下さい。

 私みたいに普段から手抜きがデフォのベストを尽くさない雑な人間になっちゃうと後悔しまくりになると思います。本当に……ハイ。毎回記事を書くたびにブーメランが突き刺さって、自分自身がオーバーキルされまくってますね!

 序盤から脱線気味な気がしたり、何が言いたいのかわからなくなってしまった気がしますが、いつもの事だと思って多めに見てやってくださ……い…。

前回の記事
絵は記号!絵を特別なものと考えず、気楽に考えて描いてみよう!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。

CAPTCHA