漫画のセリフの考え方 ~言葉を知ろう!~

   2017/07/19

漫画の言葉


 漫画を描く上で作品により奥行きを持たせ表現を豊かにするためには、絵だけではなくセリフなどに使われる言葉の部分も大切になってきます。前回はその中でも「言葉選び」についてとりあげましたが、当然ながら言葉選びをするためには言葉の引き出しを多くもっていなければなりません。そして、なにより言葉の引き出しを広げるということは、言葉を知らなければなりません。

 もちろんその他にも話し方でのキャラ付けなど色々と要素はありますが、今回は言葉選びをするために必要となる「言葉を知る」という部分についてお話を進めて行きたいと思います。



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第二回 言葉を知ろう!


1.言葉について

 言葉というのは、一つの意味にも複数の類義語となる言葉が色々とが存在したり、同じような言葉でも少しずつ意味が違っていたり、果ては勘違いされて使われている言葉や、時代によって使われるようになっていった言葉など、数えだしたらキリがないレベルで存在しています。

 そしてあまりに言葉が多すぎるために正しい読み方や書き方を知らなかったり、意味を勘違いしたり、雰囲気的に理解したつもりになってしまっている言葉なども多いのではないでしょうか。私自身もよくありますが、日本で生まれ育っていても日本語ムズカシイ……、と感じてしまうことは誰しもが結構あることだと思います。

 実際のところ、もちろん言葉を知らずに赤っ恥をかくような場面はもちろんあります。しかし多くの場合、難しい言葉になればなるほど常用することも少なく、知らなくともなんとかなることも多いので、しっかり学習しよう!とはなり辛いですよね。せいぜい覚えると言えば社会に出てから仕事の場などで使われるビジネスマナー的に使われるような言葉を覚えるくらいではないでしょうか。

 なにせ日常生活でわざわざ小難しい言葉を使う必要はありませんし、そんな言葉ばかり選んでも堅苦しくなってしまいます。なので普段は無意識に近いレベルで使い易い言葉や、砕けた簡単な言葉を選んでいることが多いと思います。ですから難しい言葉は本や映像作品の中で見かけることの方が多い、なんて人もいるのではないでしょうか。


2.言葉を知って漫画の表現力を広げよう

 そんな日常的に使うことの少ない言葉ですが描く漫画によっては、より魅力的で説得力のあるシーンを演出するために必要になる場面もあるでしょう。専門知識などが必要のない作品でも、登場するキャラによっては難しい言葉を使うなんてことも多々あります。そして表現の上で二次熟語や四字熟語、はたまたことわざや誰かの名言など、色々な言葉をセリフとして活用することはよくあることですよね。

 当然そういった言葉を使うには、作品を作る側の人間がその言葉を知っている必要があり、それを学んで実際に使える状態になっていなくてはいけません。

 ガッツリとそういった言葉を知りたければ、それに特化した参考書や辞書・サイトなども存在しています。しかし、どうしてもそういう物には手を出しづらかったり、お金を使って本を買うのも…、となってしまう人も多いのではないでしょうか。

 ここではそんな方々に私がやっている方法の一つを紹介してみたいと思います。といっても特別大した方法ではないので、ご存知の方も多いとは思うやり方です。


3.まずは身近な場所から関心を持ってみよう

 私がよくやっている方法というのは、テレビや漫画・小説など色々な場所で使われた言葉から、気になった言葉や使えそうだな~という言葉をメモ帳などにメモするという方法です。その際には改めて言葉の意味なども調べ直し、意味事態もメモするようにしています。

 簡単に言いえば、自分用の言葉辞典や用例集のような物を作ってしまえ!という手段ですね。

 その際には上でも描いていますが、言葉の意味などを知ったつもりになっているだけの可能性あるので、改めて検索したりして調べるようにしています。そうすれば間違いも減りますし、類義語や用例なんかも分かったりします。

 いくら「これは使える!」と思った言葉であったとしても、頭の中に置いておくだけでは時間が経つにつれて忘れてしまう可能性も高くなってしまいます。常用しない言葉なら尚更のことですが、そうなってしまっては元も子もありません。ですからメモを取ったりして、何時でも直ぐに取り出せる状態でスタンバイするようにしています。そうしておけば言葉自体を忘れてしまっていても、そこを見ればすぐに思い出せるので安心にも繋がります。

 実際のところ、漫画のネタ帳と同じような感覚ですね。


4.使えそうなものはどんどんメモしよう!

 私は難しい言葉以外でもメモを取る事があります。例えば面白い言葉やセリフの表現方法を見つけた時などです。自分の発想では思いつかなそうな表現をしていたり、叫び声や擬音など、これは良いかもと感じたらちょこちょこメモしていったりしています。

 ただ少ないうちはいいのですが数が多くなってくると見辛くなってきやすいので、自分なりにこれは~用みたいにファイルを分けたり、メモ帳の中で項目別に分けたりして、自分で使い易いようにカスタマイズしておくといいかと思われます。デジタルですとメモ帳以外にも方法はいくつかありますが、手軽さや問題点などを考えるとメモ帳が誰でもすぐにやれて問題も少ないと思います。ついでにメモ帳内での検索も想定した作りにしておくとより便利になります。

【例】
カテゴリ:感情表現

言葉:歓喜(かんき)
意味:~言葉の意味~
類語:狂喜 ~他、類語リスト~
メモ:シャンプーの「大歓喜」かわいい
検索用タグ:・うれしい ・よろこび ・~他、入れたいタグ~

 一例ですが、上のような分け方にしておくと、メモ帳で「感情表現」と検索すればそこにジャンプできるようになります。更にタグづけすることで似たような言葉を捜す時の目印として、そのキーワードを入力すれば該当する言葉をスムーズに捜せるようになります。この時「・うれしい(ひらがな)」のように・を入れた上でひらがなでタグを入れる!みたいな法則を決めておけば、検索で余計な物が出てくることも減らせるので楽になったりします。

 もちろん「意味まで検索してると面倒だ!」みたいな人は、気になった言葉だけをメモしていくだけでも十分だと思います。要は頭の中だけではなく、他の形で物理的に引き出せる環境を作っておく事がポイントになります。

  ただ稀に使い方を間違ってる人もいるので、そこらへんは実用する前に調べるなどの対策をとるなどして、怪しい言葉には注意を払っておく方がいいかもしれません。

 そうやって意識的に言葉に触れる機会を増やしていくことで、自身の表現の幅を広げることにも徐々に繋がっていくはずです。時にはボーっと作品を無心に楽しんだりするのも大切だとは思いますが、毎回何も考えずテレビや本を見るのだけではなく、少しだけでもアンテナを張り巡らせて、吸収できるものは吸収してみては如何でしょう。

 本当はしっかりとした資料となるものがあるに越した事はないので、使えそうな物は揃えてみる方がいいのは確かだとは思います。ですので興味がわいた人は書店などに足を運んでみるのもいいでしょう。色々な辞書や参考書がありますが、例えばビジネス会話の本みたいな物も何気に参考になったりする場面もあります。


5.お終い

 そんなわけで毎度の如く長くなりましたが、「まずは小さい事からコツコツと」といった感じで、まずは身近な場所からでも言葉を知って、セリフに使う言葉の引き出しを増やしていってみてはいかがでしょうか。

 他にもセリフを考える時に役立つ方法は色々とあるとは思いますが、今回はこれにて終了です。


etc.最後に……

 話はそれますが、「何かをする・見る時に知識や情報・技術を吸収し、考える」ということはとても大切なことだと私は考えています。例えば、人を引き付ける作品には引き付ける理由があり、嫌われるものには嫌われる理由が存在しています。主観的に見ることも大切かもしれませんが、一度は嫌いな認めたくない物でも余計なフィルターを全て外し、客観的な視点から見つめることも自身の成長の上では大切なことだと思います。

 その上で良い部分や悪い部分を冷静に考え、自身の作品でも参考になる部分は参考にしたりして、役立てていけば良でしょう。身近な場所のそこら中に知識や情報なんていうものは転がっているものです。ただ普段は意識していないために見えていないことが多いだけです。

 とはいえ本文の方でも言えることですが、いくら良いと思ったからといって「これはマズイ!」となるレベルの丸パクリになったりしないようには気をつけてましょう!あくまでも常識を考え正しく許される範囲で参考にしたり、使ったりしましょうね!


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